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アウフグース世界大会に向けて。たま助独占インタビュー/アウフグースの魅力と日本大会にかける想い

久保 光太朗

おふろcafé ハレニワの湯の副支配人兼、フィットネス運営&インストラクター兼、ドイツサウナ協会公認アウフギーサー…様々な肩書を持ちながら大活躍中の“たま助”こと佐藤さん(以下T)。

日頃は温浴の現場もガンガン回しながら、ハレニワの湯のアウフギーサーとしても各種のイベント出演や他店舗でも扇ぐなど積極的に活動しています。今回は、彼女にアウフグースの魅力、また参加が決定している、7月初旬に行われるアウフグース世界大会の日本予選「Aufguss Championship Japan(ACJ)」への意気込みを、わたくしおふろcafé ハレニワの湯・支配人の久保(以下K)がインタビューしました。

日本大会参戦!演目とこだわりについて

K:たま助さん、いよいよ日本大会までもう少しですね!

T:ですね! もうめちゃくちゃ緊張しています!! 7/7に予選があって、進めれば7/9に決勝なのですが、ひええーーって感じですね(笑)

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K:演目についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

T:もののけ姫をベースにプログラムを組み立てています。もともと私はスウェーデン生まれ、アラスカ育ちなのですが、自然が本当に豊かなところで。家の裏に大きな湖があったり、うちの車庫にヘラジカが間違えて入ってくる、とか。親も登山が大好きで、山や森というものがとても身近な環境でした。

【子供のころのたま助。お姉さんと一緒に。】
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【どちらかといえば一人で遊ぶのが好きな子供だったという】
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なので日本大会の話が来た時に、私のルーツであるこの「山」に、日本的なものとして、もののけ姫的な要素をかけ合わせて、自然と人との共存、といったテーマでアウフグースができれば世界に伝わる演目にできるかなと考えて作りこんでいきましたね。

K:衣装もこだわっているとお聞きしました。

T:このテーマを表現できるようにと、社内のデザイン室の和田さんがオリジナルで作ってくれました。
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もともと和田さんのおばあちゃんの着物だったものを縫い合わせてくれて…完全手作りですね。森と人、そして獣という概念を衣装の重ね合わせて表現しました。すごく気に入っています。

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アウフグースとの出会いと「たま助」誕生までの道のり

K:アウフグースとの出会いはどんな感じだったのですか?

T:3年前にメトスさん主催の「ドイツサウナ協会主催アウフグース研修会」の参加費用を会社が補助してくれるという機会があって、興味本位でそれに参加してみたのが最初です。ドイツのサウナ協会から講師の方が来てくれて座学と実技を学びました。その時に初めてこんな職業があるのかと知って驚きましたね。
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でもしっかり意識して練習を始めたのはおふろcafé ハレニワの湯でゲストに五塔熱子さん※をお呼びしてアウフグースイベントをした時からです。
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熱子さんにレクチャーいただいて「タオルでこんなことができるのか」と感動して。その時言われたのが「手だけでタオルを振るのではなくて、足先まで意識を通して全身で振る」こと。全身を使ってしなやかに、体の隅々まで気持ちを込めて風を送りなさい、と。これが私のアウフグースの核、今でも一番大事にしているところです。

※五塔熱子さん:日本アウフグースプロフェッショナルチーム所属。女性アウフギーサーのパイオニアの一人であり多数の実績を持つ。現在は鳥取県を拠点とし活動中。
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その後、みんなの増本さん※の動画を見て技を学んだり、コンセプトアウフグース企画を組んでみたり、アウフグースしてみた動画を上げてみたりして徐々にスキルやノウハウを学んできた感じですね。
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※みんなの増本さん:九州湯らっくす出身。超絶技巧のタオルさばきが特徴で日本アウフグースシーンを牽引するプロアウフギーサー。技解説動画などをYouTubeチャンネル「AUFGUSS Now」でも配信中。

【各々がテーマを決めて演出するコンセプトアウフグース】
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【サウナの楽しさを伝えようとWSを開いたことも】
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【社内のアウフギーサーでイベントも実施】
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【アウフグースフェスにも参加し有名アウフギーサーらと共演】
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K:フィットネススタジオがあるんですね。

T:はい。施設内に「and fit」というスタジオがあって、実は私、そこの講師と運営も行っています。今でもシルクサスペンションなどのプログラムなどを担当していますね。アウフグースの練習も主にフィットネススタジオで行っています。空いている時間しか使えないので、現場を回しながら練習時間確保するのは難しいのですが、タオル振ってると楽しくて。私は基本午後〜夜シフトが多いのですが、退勤後に集中して練習してたら気づいたら朝方になっちゃってたとか、結構あります(汗)

【シルクサスペンションのレッスンの様子】
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フィットネスとの重ね合わせで拓く新しい境地

K:たま助のアウフグースは舞っているようだ、ダンスのようだ、と口コミで良く書かれていますね。

T:実は舞おう、とはあまり意識していなくて。熱子さんから教えていただいた「全身を使って風を送る」ということを実践しようとしたときに、フィットネスの体全身に意識を広げる、足先まで神経を通す、といったこととリンクして、全身を使った躍動感のあるアウフグースができるのかもしれません。それが結果的に舞っているように見えるんでしょうね。その意味では私のアウフグースはフィットネスとのハイブリッドなのかもしれません。また私はあまり筋力がなくて、ランバージャック※などで強い風を送ることが難しいんですね。ですのでこの「舞う」ということでお客様に視覚的にも元気を届けられたらと思っています。現在とても好評で嬉しいですね。

※ランバージャック:タオルを短く持ち力強く振り下ろすことで直線的な風をとどけるアウフグースの基本技の一つ。

【躍動感のあるアウフグースが魅力の一つ】
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【オリジナルグッズの「舞」タオルも】
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「場づくり」としてのアウフグース

K:アウフグースのやりがいはどんなところだと感じていますか?

T:私は現場が大好きなんです。おふろを通じてお客様が元気に変わっていくことを見るのが好きだし、そこに携われるのが本当に好き。なのでアウフグースを通して、お客様の疲れをリフレッシュできることや、お客様から「明日の活力をゲットできたよ」といってもらえることが最高にうれしいです。
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T:またサウナでのイベントを通じて、お客様同士がつながっていけるのも魅力的に感じています。私はもともとアットホームな“場づくり”がしたくてこの会社に入りました。人と人が交流してあたたかなコミュニティができていくような場所を作りたいなと思っていました。でも実際に仕事を始めてみたらお客様との直接の接点はフロントでのお声がけやイベント時くらいで意外と少ないことに気づいたんです。

でもこのアウフグースを通してお客さまと直でコミュニケーションできる機会が増えて、そしたらお客様同士の共通の話題が増えて、私とお客さまの繋がりもですが、お客さま同士の繋がりも生まれ始めている。なんとなく私が思い描いていた場づくりができてきているような感覚があって、それが今とても嬉しいしやりがいを感じます。

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なのでアウフグースの演目も意図的に変えています。土日は初めてのお客さまも多いのでショー要素を取り入れたものを、平日はお客さまとしっかりコミュニケーションをとるような、アウフグースで人々の交流が生まれる場づくりができるようにとトライしてみています。

日本大会の先に見据える未来

K:日本大会での目標、またこの後の展望について教えてください。

T:こういうことを言うと怒られてしまうかもなのですが(汗)、日本大会は参加できることがすでにありがたいなと思っています。もちろん優勝を目指しますが、それよりもこの大会を通して日本のサウナ文化やアウフグースシーンが盛り上がることが嬉しいですし、それに寄与できるような演目を届けたいと思っています。

【アウフグース日本大会の先を見据える】
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男性ももちろんなのですが、もっと女性の方にもサウナの魅力、アウフグースの楽しさを伝えられるようになりたいですね。ハレニワの湯のアウフグースは整理券制なのですが、女性の方はなかなか参加者が増えなくて。最近ようやく整理券がはけ切ることが増えてきましたが、最初のころは2人とか、参加者なしとかほとんどでした。やはりサウナのイメージが暑い!キツイ!とかなので、「アロマで蒸気浴してみませんか?」と直接浴室内で声をかけて体験してもらうこともありました。まだまだ女性の方へのサウナ文化の発信は始まったばかり。加えてマナーの向上啓蒙なども行いながら、ハレニワの湯のコンセプトである「ボタニカル」を通して、今までのサウナのイメージを変えるような新しいサウナ体験を届けられたらと思っています。

【後輩との練習風景】
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私は今28歳で、この後の人生のライフイベントを考えていく中でも、後輩や女性アウフギーサーの育成にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。お客様に直接元気を届けられるアウフグースの魅力をみんなにどんどん伝えていきたい。アウフグースとの出会いも偶然でしたので、今後どうなっていくかは全く分かりませんが、それでも何らかの形でアウフグースとかかわり続けていきたいと思っています。

K:ありがとうございました。日本大会応援しています!

T:ありがとうございます! 応援してね!

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アウフグース日本大会、たま助の出演は以下の日程で行われます
Aufguss Championship Japan2022(ACJ)
予選:7/7 18:00~ @横浜スカイスパ
決勝:7/9 @横浜スカイスパ(予選を通過した場合)

自分のルーツを活かした演目やアウフグースとの出会い。フィットネスを織り交ぜてオリジナルな風を作り出していく様子や、次世代につなげたいメッセージなど、様々な角度からアウフグースにかける熱い想いを語ってくれた、たま助。自己表現としてだけではなく、誰かの居場所づくりとしてのアウフグースを、彼女ならこの先も届け続けてくれることでしょう。

ぜひ皆様も応援をよろしくお願いいたします!

久保 光太朗KOTARO KUBO

Department
BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE/ビジネスプロモーション本部
Position
支配人/FCコンサルティング部

北海道出身。2017年度新卒入社。ドイツ協会公認アウフギーサー。歌って踊ってデザインできる支配人を目指して奮闘中。お店の壁にドリルで穴を開けられるって最高。サウナ、水風呂、外気浴、ビリヤニ、Yeah。

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